食衛生管理における温度管理は、食中毒を防止する。その観点において最重要管理項目と位置づけられています。これは、すべての製造工程において食中毒の原因菌などの増殖を抑えたり付着した細菌の殺菌をするためには、それぞれの目的に応じた温度管理が必須なためです。実際に厚生労働省によって食品の温度管理に関してはさまざまなガイドラインが示されています。
その内容は多種多様なものがありますが、たとえば原材料については戸棚や冷凍、あるいは冷蔵設備内で適切な温度で保存するよう指示されています。加えて、原材料搬入時の時刻や室温と冷凍あるいは冷蔵庫設備内の温度の記録も推奨されているなどその内容は非常に細かいものになっているのが特徴です。また、加熱調理後についても食品を冷却する場合食中毒菌の発育至適温度帯と言われている20度から50度の時間を可能な限り短くするために、冷却器の利用や清潔な場所での衛生的な容器に小分けなどし、30分以内に中心温度を20度付近まで下げる工夫を行わなければなりません。さらに、検食についてもその方法は細かく定められています。
具体的な方法としては、原材料と調理済み食品を食品ごとに50g程度ずつ清潔なビニール袋などの容器に入れ密閉し、マイナス20度以下で2週間以上保存することが必要です。なお、食品の温度管理の重要性は日本国内だけでなくHACCPにおいても重要管理項目に位置づけられています。このような事実を踏まえると、その管理は安心安全な食に欠かせない重要項目と言えます。